子宮は冷えない?温活についての正しい知識を身につけよう

2021年07月05日

女性であれば「体を冷やさないように」と一度は言われたことがあるのではないでしょうか。近年の温活ブームで、子宮を冷やさないように謳う商品もありますが、実際のところ温活では何に気をつければいいかわからないですよね。

 

そこで今回は、温活について松浦先生に解説していただきました。

 

 

そもそも低体温だと何が問題?

健康的な人の平熱は、36.5~37.1℃と言われています。一般的に、平熱が36℃未満の場合を低体温と言います。

 

体温が低くなると、全身の血流が悪くなり、以下のような不調が出てきやすくなります。

 

・冷えやすい

・疲れやすい

・抵抗力が低下する

・臓器の機能が落ちる

・消化不良を起こしやすい など

 

現代人の低体温の原因として多いのは、筋肉量の低下による基礎代謝の低下と言われます。

 

その他にも、心身のストレスや不規則な生活などで、自律神経のバランスの崩れ、食事制限などによるエネルギー不足も影響します。

 

 

子宮が冷えることってあるの?

 

医学的には、子宮だけが冷たく冷えるということはありません。

 

しかし、血行不良のために、骨盤内の血流が悪くなり、生理に関連した不調が増えることは考えられます。

 

女性は、正常な排卵周期とホルモン分泌があることが大切です。低体温の女性は、自律神経の乱れや不規則な生活、ストレス、ダイエットなどが複合的に影響して、正常な卵巣や子宮の機能が落ちていることも多く、生理不順などの不調につながります。

 

子宮ではなく体温を意識し、代謝をよくして、自律神経のバランスを整える習慣をつけるとよいでしょう。

 

 

【温活しよう】体温を上げるためのコツ !

「温活」とは、簡潔に言うと体を温める毎日の習慣のことです。以下に挙げることを習慣にしてみましょう。

 

運動の継続

 

まずは、運動です。ちょっとしたことでも毎日継続することが大切です。

 

起きたときや寝る前、仕事の合間などのちょっとしたすきま時間にストレッチをする、階段を使う、10分歩くなどから始めてもよいでしょう。

 

歩くときは、以下の3点に気をつけるだけでも変わってきますよ。

 

・腕を大きく振る

・歩幅を大きくする

・姿勢を正しくする

 

食べ物に気をつける

暑いからといって、冷たい食べ物や飲み物ばかり選ぶことは避けたほうがよいでしょう。

 

漢方の世界では、体を温める作用のあるものを「温熱性」の食べ物と呼びます。

 

例えば、かぼちゃ、かぶ、しょうが、ねぎ、にんにく、ピーマンなどの野菜、あんず、さくらんぼ、桃、ラズベリー、栗などの果物類、牛肉、鶏肉、レバー類、いわし、酢、みそ、玄米、ココアなどが温熱性の食べ物に分類されます。

 

このような食品を積極的に取り入れることがおすすめです。

 

体を冷やさずお風呂に浸かる習慣を

 

夜はシャワーで簡単に済ませるより、湯船に浸かって全身を温めると、リラックス効果も高く有効です。

 

また、エアコンのきいた部屋では一枚羽織ったり、靴下を履いたりするとよいでしょう。

 

 

温活の際の注意点

妊活をしている方や妊婦さんで、真夏なのにお腹をカイロで温めたり、レッグウォーマーや腹巻をしていたりする患者さんに出会うことがあります。

 

このような明らかに「快適」と思われる範囲を超えることをしたり、体を温める食品だからといってそればかり偏って摂取したりすることはおすすめできません。

 

 

最後に松浦先生からひとこと 

女性の健康と低体温は、密接に関係しています。まずは、自分の基礎体温を知ることが大切です。

 

低体温の日がある場合には、日常生活の中でできることから少しずつ始めて、毎日の健康につなげられるとよいですね。


監修:医師 松浦 恵

北海道大学医学部卒業後、大学病院、小児病院などで勤務したのち、東京医科歯科大学大学院を卒業。研究を続けながら、成長発達、思春期、内分泌疾患を中心に、健診や予防接種も含めた臨床に携わっている。

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