子宮頸がん検診で再検査!? 検査基準と検査方法を教えて!

2021年06月01日

子宮頸がんは誰でもなる可能性のある病気です。

そのため、子宮頸がん対策のために、定期健診に欠かさず行っているという女性も多いのではないでしょうか。

健診を受けた人の中には、健診の結果、再検査を必要とするといった診断がくだり、落ち込んでいる人もいると思います。

そこで、子宮頸がんの検診で再検査になることの意味や、再検査の内容について、ご紹介します。

子宮頸がんとはどんな病気? 



子宮頸がんとは、ヒトパピローマウイルスの感染によって起こるがんです。ヒトパピローマウイルスは、性交渉をしたことのある人であれば1度は感染経験があるといわれるくらいありふれたウイルスです。

通常は性交渉などによって膣内にウイルスが入っても、免疫力や自浄作用によってウイルスが活性化することなく死滅してしまいますが、免疫力が落ちているときや、進行性の高い型のウイルスの場合には、子宮頸がんとなって発症してしまうことがあります。

子宮頸がんは、性交渉をしたことのある人ならだれでも感染する可能性のある病気であるため、20代や30代でも健診を受けることがすすめられています。

早期発見をすることで予後も良好であるため、定期健診をして早期発見を心がけることが一番大切であるといえます。

子宮頸がんで再検査が必要とはどういうこと? 


子宮頸がんの検査で再検査の通知がきたら、自分が今どのような状態なのか不安になる人が多いと思います。

子宮頸がんで再検査が必要になるということは、つまりどういうことなのでしょうか? 

細胞診のクラス分類

子宮頸がんの細胞診では、6段階のクラスに分類されます。その分類によって、再検査が必要かどうかを判断しています。

・NILM(クラスⅠまたはⅡ):正常

・ASC-US(クラスⅡ、Ⅲa):異形成ではないが細胞に良性の変化が見られる

・ASC-H(クラスⅢa、Ⅲb):高度な異形細胞の可能性があるが確定はできない

・LSIL(クラスⅢa):HPV感染や軽度異形成の可能性がある

・HSIL(クラスⅢa、Ⅲb、Ⅳ):中等度異形成、高度異形成、上皮内がんの可能性がある

・SCC(クラスⅣ、Ⅴ):明らかな扁平上皮がんの可能性がある

Ⅲa以上の結果のときに再検査になる

細胞診の結果、クラスⅢa以上の結果が出た場合に、再検査をしてさらに詳しく調べることになります。Ⅲaとは、HPVへの感染や軽度異形成の可能性があるという状態であり、HPV感染も軽度異形成も「がん」ではありません。

つまり、必ずしも「再検査になった=がん」というわけではないということを覚えておく必要があります。

子宮頸がんの再検査で行われることは? 



子宮頸がんの再検査では、膣拡大鏡(コルポスコープ)を膣内に挿入し、子宮頸部や膣壁を拡大して観察する検査を行います。

膣内を6倍から40倍に拡大して観察することが出来るため、肉眼では確認しにくい病変を見つけることができ、子宮頸がんの早期発見が可能となっています。

さらに、子宮頸部に酢酸をかけて、炎症部分に変化があるかどうかをチェックします。子宮頸部に異形成と思われる部分が見つかった場合には、組織を切り取ってさらに精密な検査を行います。組織を切り取ることになるため、出血や痛みを伴うこともあります。

コルポ診は、2週間から3週間ほどで検査結果が出るため、その結果次第で今後の治療方針が決まります。

子宮頸がんの再検査で異常がみつかったら


手術のあと切り取った細胞をさらに精密検査をして、進行具合を確認します。

子宮摘出

がんが子宮まで到達していた場合には、子宮を摘出する手術を行います。子宮だけでなく、リンパや卵巣などの周辺にまで及んでいる場合には、がんが広がっている組織も一緒に取り除く広汎子宮全摘出術が行われます。

放射線治療や抗がん剤治療

がんがかなり進行している場合には、子宮摘出手術だけでなく放射線治療や抗がん剤治療を平行して行っていきます。

副作用や体への負担が大きい治療になるため、医師の指示のもとで慎重に行う必要があります。

子宮頸がんを防ぐ方法



子宮がん健診で再検査にならないためには、日ごろから子宮頸がんの原因となるものを排除することが大切です。

日常生活で出来る子宮頸がん予防を知っておきましょう。

免疫力を高める

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスは、免疫力によって体の外へと排除することができます。つまり、免疫力を高めることで子宮頸がんを予防することが出来るということです。

栄養バランスの取れた食事・質の良い睡眠・適度な運動など、生活習慣を規則正しくすることで、免疫力アップにつながり、子宮頸がんを予防することができます。

禁煙する

子宮頸がんは、喫煙によって悪化しやすいことがわかっています。そのため、1回でも子宮頸がん検査で以上が見つかった場合には、禁煙をしましょう。

性交渉の際はコンドームを着用する

ヒトパピローマウイルスは、性交渉によって感染します。性交渉をする際にコンドームを装着することで、感染を防ぐことができるため、子宮頸がんの予防にも繋がります。

予防接種も検討しよう

子宮頸がんは、予防接種で防ぐことができるといわれています。任意の摂取なので自費になりますが、予防接種についても検討してみましょう。

子宮頸がんの再検査を乗り超えよう


子宮頸がん健診で再検査という診断が出ると、とても不安になってしまうものです。

しかし、再検査になったからといってがんが確定したわけではなく、むしろ病気が早期に発見できるチャンスであるといえます。

また、再検査で異常が見つかった場合でも、早期に発見ができていれば適切な治療を受けることで予後も良好です。

悲観しすぎずにまずは体を大切にする習慣を心がけるようにしましょう。

(監修:Doctors Me 医師)

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